初期の頃の赤坂四川飯店バージョンの海老のチリソース

 海老のチリソース


海老のチリソース


日本のエビチリは日本人向けにアレンジされています。 

オリジナルの四川省のエビチリとは、全く味わいが違うんですね。 

オリジナルのソースには、酒醸、豆板醤、鶏ガラスープ、塩、紹興酒、水溶き片栗粉、ネギ、ニンニク、生姜等を使い、ソースの汁気が無くなるまで炒めます。 

海老は焼き付けるようにして炒めているので、とても香ばしくて身の旨味が凝縮された味わいです。 


干焼蝦仁


全体的な味は、四川料理だけに豆板醤を使っていて辛みが強いのですが、その辛さの中に酒醸の甘味もあり、旨味のある甘辛な感じがあります。 


調味料にトマトケチャップを使った海老チリの発祥は、赤坂四川飯店だそうです。 

赤坂四川飯店の店主だった陳建民さんは、トマトケチャップにたどり着くまでに、生のトマト、トマトソース、ホールトマト等、いろいろと試し、かなり苦労して作り上げたそうです。

ちなみに現在この料理には色々な種類のエビを使いますが、本場四川省では海が無いので、川エビを使っていました。 

四川省の料理人が上海に渡った時に、海のエビを使うことを思いついたそうです。 

今回は、川海老では無く、ブラックタイガーを使っています。 




ブラックタイガー ​



この海老の和名は『ウシエビ(牛海老)』 名前の由来は、ウシエビの大きな体(成体の体長は約30センチに達します)を牛に見立てているからなのだそうです。 

生きた状態の外見は黒っぽく縞模様であることから、一般的には英名『ブラックタイガー(黒いトラ)』の方がよく知られています。 

ちなみにスーパー等で見かけるブラックタイガーは外国産のものばかりですが日本にも分布している(東京湾以南の太平洋側)のだそうです。 

ただ、個体数が少なくまとまって捕れることが無いので、日本産天然ものは市場に流通することはまずないそうです。 




材料(2人分)​

  • 海老・・・180グラム 
  • 紹興酒(海老の下味用)・・・小さじ0.5杯 
  • 塩(海老の下味用)・・・少量 
  • 胡椒(海老の下味用)・・・少量 
  • 卵白(海老の下味用)・・・大さじ0.5杯 
  • 片栗粉(海老の下味用)・・・大さじ1杯
  •  油(海老の下味用)・・・大さじ0.5杯 
  • 揚げ油・・・適量 
  • 豆板醤・・・大さじ1杯 
  • トマトケチャップ・・・大さじ2杯 
  • 生姜・・・大さじ0.5杯 
  • ニンニク・・・大さじ0.5杯 
  • 酒醸・・・大さじ1杯 
  • 鶏ガラスープ・・・100ml 
  • 紹興酒・・・大さじ0.5杯 
  • 砂糖・・・小さじ0.5杯 
  • 塩・・・少量 
  • 胡椒・・・少量 
  • グリーンピース・・・40グラム 
  • 長ネギ・・・1/4本 
  • 水溶き片栗粉・・・大さじ1杯 
  • 溶き卵・・・1/4個 
  • 酢・・・ごく少量 



代用食品​

上記の材料が揃わない場合の代用の食材の一例です。

家にある食材を使って作ってみてください!

なにか新しい発見があるかもしれません!


  • 酒醸の代用・・・甘酒



​作り方 ​

  1. 海老は、紹興酒、塩、胡椒、卵白、片栗粉、油で下味を付けて、揉み込みます。 

  2. 中華鍋に油をタップリと入れて熱し、海老を油通しします。 

  3. 中華鍋に油をひいて熱し、豆板醤、トマトケチャップ、すり下ろした生姜、すり下ろしたニンニク、酒醸を入れて弱火で香りが立ってくるまで炒めます。 

  4. 鶏ガラスープ、紹興酒、砂糖、塩、胡椒、グリーンピース、海老を加えて混ぜ合わせ、みじん切りにした長ネギを加えます。 

  5. 水溶き片栗粉を入れてトロミを付けます。 

  6. 強火にして溶き卵を加えて混ぜ合わせ、仕上げに酢をごく少量回し入れて出来上がりです。



​食材の旬 ​


  • ニンニク:6~8月 
  • 生姜:6~8月(新生姜)、9~11月(根生姜)
  • 長ネギ:12~2月




そういえば、エビチリには溶き卵を加えるバージョンと加えないバージョンの2つがありますよね。 

溶き卵を加えるバージョンを考案したのも陳建民さんです。 

溶き卵を加えることによってソースの味わいを円やかにし、その最大の理由は辛味を抑えるためでした。 

1960~1970年代の日本には豆板醤のような激辛の調味料は一般的には存在していませんでした。 

当時の日本人にはまだ未知の四川省特有の激辛な味わいは受け入れて貰えるのか心配し、考えた末に思いついたのが溶き卵を使うことだったそうです。


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